ニードルタティングレースを始めたきっかけ
私は小さい頃から母や姉が編み物をやっているのを見て真似をしながら習い始めて、
大人になっても本職がありなからも時間が空く時には自然と手芸を楽しむ日々を過ごしていました。
ある日病院の待合室で、シャトルでタティングレースをやっている方を見かけました。
それまでに見たこともない繊細で上品な出来上がりの手芸でした。
やりたい!の気持ちでいっぱいでした。
ただシャトルはドイリーを作る事は出来たものの、その先へと中々進めなく、本職もあることから諦めていました。
偶然アメリカの方が針でタティングレースをやっているのを見てカルチャーショックを受けました。
シャトルより断然早い!簡単!
またやりたい気持ちが身体中湧き上がる事に気がつきました。
でもその頃は、日本には専用の針も分かり易い日本語の本もなく、ニードルタティングについてパソコンで調べても中々見つからない時でした。
基礎だけは出来たので、シャトルの本を見ながらニードルでも様々な作品が出来るのだと信じ、その日から私の研究は始まりました。
本職がある事で進みの具合は遅く、もどかしい日々の中、娘からもらった大事な誕生日プレゼントのネックレスと同じ物を何人かの人がつけているのをみてつい思いました。
最高に繊細な作りで
世界の1つの物を作ろう!
大事な人への贈り物にしよう!
とニードルタティングの研究に火がつきました。
あれこれと試作品を作ってみるものの何かに気がつきました。
なんか、綺麗になれない。
なぜだろうと、シャトルの作品は綺麗なのに、自分が作ったのは全然綺麗じゃ無い事に腹が立ってきました。
なぜねじれている?
なぜ同じ目数なのに大きさが違う?
次から次へと違う悩みが始まり、
夜遅くまで、ある日は気がつけば朝方になる事もしばしば。
疲れると思った事もなく自分との研究が続いたのです。
1つ2つ増えていく綺麗に編む技法が生まれる度に喜びを感じました!
今はYouTubeで外国の方々や日本の方々が簡単なモチーフの作り方をご紹介する動画はあります。
誰も簡単に作れる事が分かる親切な動画です。
でも、一段上の編み方をやりたいと思われる方々も沢山おられるでしょう。
私は長い年月をかけてシャトルのように細かくて綺麗に編める編み方に目を向けて、知恵を絞りながら研究を続きました。
気がつけば人に教えるようになり、
本職を辞めて正式的にレッスンを開くようになりました。
ニードルタティングの存在を知らない方が多く、
体験なさった方々が、裏技などのテクニックを使って綺麗に編める事に驚きと感動をなさるのを目の前に
私はただただ感謝の気持ちでいっぱいでした。
タティングレースの専門店も出来て関連書籍も増えていく中、ニードルだけの本も針もなかったのです。
外国の英文や編み方の説明もなく、あっても分かりづらい本がほとんどでした。
そこで日本語初になる本を
出来るだけ分かりやすいよう一生懸命に作り、自費出版しました。
本だけみて作れたと沢山の方から嬉しいお言葉も頂きました。
微力ながらもニードルタティング広めていく活動も頑張りました。
その結果が少しずつですが、ニードルタティングの存在を知って下さる方々やご興味を持って下さる方々、一緒に広めていく仲間も増えていくようになりました。
タティング専門店でもありがたく、
専門の針も沢山置いて下さるようになりました。
シンプルな針。
シンプルな編み方。
それだけで繊細な物が出来上がるって、本当に不思議だと思いませんか。
世の中には沢山の手芸がありますが、
ニードルタティングレースは
奥深い編み物です。